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防水工事の種類や見分け方を徹底比較!基礎知識や費用相場も解説

<こんな疑問がある方におすすめ>

・防水工事の工法にはどんなものがある?

・防水工事を行いたい場所があるけれど、適切な工法がわからない

・自分の家の防水工法がどれだかわからない

防水工事の方法は主に4種類あり、施工箇所によって選ぶべき工法が異なります。

この記事では4種類の防水工事の基礎知識を解説し、その特徴やメリット・デメリット、価格相場を比較します。ぜひ参考にしてください。

主要な防水工事は4種類

防水工事には、主に以下の4つの工法があります。

  • ウレタン防水
  • FRP防水
  • シート防水(塩ビ・ゴム)
  • アスファルト防水

それぞれの防水工事の内容を詳しく見ていきましょう。

ウレタン防水

素材ウレタン樹脂
主な工法・密着工法
・通気緩衝工法
耐用年数密着工法:7~10年
通気緩衝工法:10~15年
工期3~7日
価格相場(1㎡あたり)密着工法:4,000~6,000円
通気緩衝工法:5,000~7,000円
適した場所ベランダ、バルコニー、屋上
見分け方継ぎ目がなく、弾力がある

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて形成するゴム状の防水層です。厚さは2~3mmほどで弾力があり、さまざまな場所・形状に施工できます。費用も比較的安価なため使い勝手が良く、住宅のベランダやバルコニー、マンションの屋上などの防水工事に採用されています。

ウレタンの防水工事には「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類の工法があります。

「密着工法」は下地に直接ウレタン樹脂を塗る工法で、「通気緩衝工法」は下地の上に通気緩衝シートを張り、その上からウレタン樹脂を塗る工法です。

密着工法は主にベランダなどの狭い箇所に向いていて、通気緩衝工法は屋上やバルコニーなど広い箇所のウレタン防水工事に向いています。

ウレタン防水のメリット・デメリット

ウレタン防水のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット・比較的費用が安い
・複雑な形状にも対応できる
・軽量で建築物にかかる負担が少ない
・継ぎ目がないため腐食しにくい
デメリット・塗布と乾燥に時間がかかり工期が長い
・経年劣化で亀裂が入りやすい
・仕上がりが職人の技量に左右される

ウレタン防水は比較的コストが安く、また液状の樹脂を塗り広げて施工するため、側溝や立ち上がり部といった複雑な形状にも対応できます。また、ウレタン樹脂は軽量なので、建物にかかる負担が少ない点もメリットです。ウレタン防水などの塗膜防水は継ぎ目がないため耐水性が高く、腐食しにくいという利点もあります。

一方で、重ね塗りが必須なウレタン防水は塗布のたびに乾燥時間がかかり、その分工期が長くなりがちです。また、ウレタン防水は塗装を手作業で行うため、仕上がりが職人の技量に左右されてしまいます。業者の技術力が足りないと、厚みにムラが出てしまうおそれがあります。

FRP防水

素材繊維強化プラスチック
主な工法
耐用年数10~12年
工期1~2日
価格相場(1㎡あたり)6,000~9,000円
適した場所ベランダ、バルコニー
見分け方継ぎ目がなく、プラスチック質で硬い

FRP防水はガラス繊維シートを敷いた上から樹脂を塗布し、それを重ねていくことで防水層を形成する工事方法です。FRP防水はウレタン防水と同じ塗膜防水の一種ですが、ウレタン樹脂に比べFRPの素材は乾きやすいため、短い工期で工事が完了します。

FRP防水は耐久性が高く、複雑な形状の場所にも施工できることから、新築住宅のベランダやバルコニーなどに多く取り入れられています。

FRP防水のメリット・デメリット

FRP防水のメリット、デメリットは以下の通りです。

メリット・速乾性があり工期が短い
・耐水性・耐熱性・耐久性が高い
・塗装のムラができにくく均一に仕上がる・複雑な形状にも対応できる
・継ぎ目がないため腐食しにくい
・強度があり変形しにくい
・軽量で建築物にかかる負担が少ない
デメリット・紫外線に弱くこまめなメンテナンスが必要
・伸縮性が低くひび割れを起こしやすい
・施工時に化学物質の臭いがする
・コストが高くなりやすい

強化プラスチックであるFRPは、貯水槽や自転車のボディパーツ、ロケットにも使われる素材です。そのようなFRPを使用したFRP防水は、軽くて丈夫、工期も短くて済むなど、多くのメリットがあります。

しかし、プラスチックだからこそのデメリットも存在します。FRP防水は伸縮性が低く塗膜が硬いため、ひび割れを起こしやすいという難点があります。そのためマンションの屋上のような広い場所での施工は不向きで、戸建て住宅のベランダやバルコニーといった狭い場所が向いています。

また、FRP防水は紫外線にも弱く、長期間日光にさらされてもひび割れが起こります。劣化を防ぐには、こまめにトップコートを塗るなど、定期的なメンテナンスが欠かせません。

シート防水(塩ビ・ゴム)

素材・ゴムシート・塩ビシート(塩化ビニル樹脂)
主な工法・密着工法・機械的固定工法
耐用年数ゴムシート:10~15年塩ビシート:10~20年
工期1~3日
価格相場(1m2あたり)4,000~8,000円
適した場所ゴムシート:屋根、屋上塩ビシート:屋根、ベランダ、バルコニー
見分け方シートの端や重なっている部分がある

シート防水は、シートを下地や緩衝材の上に敷設し防水層を形成する工事方法です。塗膜防水でないため乾燥させる必要がなく、短い工期で施工できます。シートの素材はゴムと塩ビの2種類で、ゴムシートは耐候性と伸縮性に優れ、塩ビシートは紫外線や熱に強い点が特徴です。

シート防水の主な工法は「密着工法」と「機械的固定工法」の2種類です。「密着工法」はウレタンの防水工事同様、下地に直接防水シートを張り付ける工法で、接着工法とも呼ばれます。「機械的固定工法」は、機械を用いて専用の金具でシートを下地に固定する工法です。塩ビシートの施工は、主にこの機械的固定工法が用いられます。

シート防水のメリット・デメリット

シート防水のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット・紫外線や熱、オゾンに強い(塩ビ)
・伸縮性があり亀裂が入りにくい(ゴム)
・広い場所もムラなく施工できる
・耐候性に優れている
・工期が短い
・比較的安価で施工できる
デメリット・鳥害に弱い(ゴム)
・複雑な形状には対応しにくい
・施工中に騒音が出やすい

シート防水は塗膜を乾燥させる必要がないため、広範囲を短い工期でムラなく施工できる点がメリットです。また耐候性に優れ、耐用年数が長いという利点もあります。トップコートなどの保護塗装を必要としないケースも多いです。

一方、表面が平らでないと防水シートをしっかり張り付けることが難しいため、複雑な形状の場所には不向きです。また、機械的固定工法はシートをドリルなどで固定するため、工事中の音が大きくなりがちというデメリットがあります。

アスファルト防水

素材アスファルト+合成繊維
主な工法・熱工法
・常温粘着工法
・トーチ工法
耐用年数15~25年
工期6~10日
価格相場(1m2あたり)5,000~8,000円
適した場所ビルやマンションの屋根、屋上
見分け方継ぎ目があり、表面がザラザラしている

アスファルト防水は、アスファルトと合成繊維でつくられたシートを貼り重ねて防水層を形成する工事方法です。防水工事の中でもっとも耐久性が高く、広い場所の施工に向いているため、RC造のビルやマンションの屋根・屋上の防水に適しています。

アスファルト防水には「熱工法」「常温粘着工法」「トーチ工法」の3種類の工法があります。「熱工法」は、高温で溶かしたアスファルトを接着材としてシートを貼り合わせる方法であるのに対し、「常温粘着工法」では常温のアスファルトで下地にシートを接着します。「トーチ工法」はアスファルトシートを炙って一部を溶かし、溶解面を接着材として下地に貼りつける方法です。

3種類の工法の中では、熱工法がもっとも防水効果が高いといわれています。

アスファルト防水のメリット・デメリット

アスファルト防水のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット・耐用年数が長い
・耐久性と防水性に優れている
・安定した防水層が形成できる
デメリット・施工中に強い臭いを発する
・施工できる箇所が限られる
・重量があり建物への負担がかかる

アスファルト防水の大きなメリットは、耐久性と防水性の高さです。耐用年数も長いため、メンテナンスの回数が少なくて済む点もメリットといえるでしょう。また、アスファルト防水に使用するアスファルトシートは工場で生産されるため、業者の技量に左右されず均一な厚さの安定した防水層が形成できます。

一方で、アスファルト防水はアスファルトを溶かして施工するため、工事中に強い臭いを発します。また、重量もあるので戸建て住宅などの一般住宅には向きません。ビルやマンションなど、施工できる箇所が限られる点はデメリットといえるでしょう。

【種類別】防水工事比較表

主要な防水工法を比較表にまとめました。

耐用年数価格単価(m2工期適した場所
ウレタン防水7~15年4,000~7,500円3~7日ベランダ、バルコニー、屋上
FRP防水10~12年6,000~9,000円1~2日ベランダ、バルコニー
シート防水10~20年4,000~8,000円1~3日ゴム:屋根、屋上塩ビ:屋根、ベランダ、バルコニー
アスファルト防水15~25年5,000~8,000円6~10日屋根、屋上

防水工事の選び方に迷った際は、専門業者に相談しましょう。

防水工事の業者を選ぶコツ

防水工事を行ううえで、業者選びはとても大切です。業者を選ぶ際は、以下の点に留意しましょう。

  • 塗装業者でなく防水の専門業者に依頼する
  • 3つ以上の業者で相見積もりする
  • アフターサポートの有無を確認する

それぞれ解説します。

塗装業者でなく防水の専門業者に依頼する

外壁や屋根の塗装業者の中には、防水工事も一緒に請け負っているところがあります。

防水には塗膜防水もあるため、一見すると塗装業者でも問題なく思えますが、塗装と防水加工では必要とする知識や技術が異なります。塗装業をメインとする業者が、必ずしも防水加工に精通しているとは限りません。防水工事を依頼する際は、防水工事を専門に行っている業者を選ぶほうが安心です。

防水工事の専門業者も、主に戸建ての防水工事を行うところと、ビルやマンションをメインに担当するところに分かれます。特にマンションやビルに使われるアスファルト防水は施工できる業者が限られているため、施工場所に適した業者を選ぶようにしましょう。

3つ以上の業者で相見積もりする

施工業者を選ぶ際は、少なくとも3社以上の業者で相見積もりすることをおすすめします。

相見積もりをすることで大体の費用相場がわかり、予算を組みやすくなります。また費用相場を知れば、各業者の見積もり内容が適切かどうかも判断できます。見積もり内容があやふやだったり、よくわからない諸経費が含まれていたりする業者は、候補から外しましょう。

アフターサポートの有無を確認する

アフターサポートや保証制度の内容は、施工業者によって異なります。サポート体制が整っている業者を選べば、万が一トラブルがあった際も安心です。

定期点検はあるか、5年保証や10年保証はあるかなど、費用以外のサポート体制も比較しましょう。

防水工事の種類は4つ!適切な施工を選ぼう

防水工事にはウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルト防水の4種類があり、それぞれ素材や施工方法、適した場所が異なります。防水工事を行う際は、施工場所に合った工法を選ぶことが大切です。

防水の専門家に工事を依頼したい方は、「屋上防水プロ」をぜひご活用ください。

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