
<こんな疑問のある方におすすめ>
・防水工事の費用相場はどれくらい?
・見積もりをもらったけど、これって適正価格?
・防水工事の費用を抑えるにはどうしたら良い?
防水工事はひんぱんに行うものではないため、いまいち相場や適切な価格帯がわからないという方は多いのではないでしょうか。
今回は防水工事の種類ごとの単価や費用相場、見積書を確認するポイントを解説します。防水工事の費用を抑えるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
防水工事の費用相場
防水工事の費用は、一般的に施工費用と諸費用の総額です。約100m2の広さの屋上にウレタン防水を施す場合、費用相場は約110万円で、これに足場代や下地処理代などが別途かかります。
また、防水の種類や防水層の劣化具合によっても費用は変動します。既存防水層に大きな劣化が見られない場合は下地処理などの費用が多少安くなりますが、劣化がひどければその分費用はかさみます。費用相場はあくまでも「相場」であることを覚えておきましょう。
防水工事の種類別単価表
防水工事の工法ごとの費用相場は、以下の通りです。
防水の種類 | 単価(1㎡) | 耐用年数 | 特徴 |
ウレタン防水 | 密着工法:4,000~6,000円 通気緩衝工法:5,000~7,000円 | 密着工法:7~10年 通気緩衝工法:10~15年 | ・ウレタン樹脂を塗り重ねゴム状の防水膜を形成する ・比較的安価 ・住宅のベランダやバルコニー、マンションの屋上に採用される |
FRP防水 | 6,000~9,000円 | 10~12年 | ・ガラス繊維シートの上から樹脂を塗布し防水層を形成する ・軽量で建物への負担が少ない ・住宅のベランダやバルコニーに採用される |
シート防水 | 4,000~8,000円 | ゴムシート:10~15年 塩ビシート:10~20年 | ・シートを下地や緩衝材の上に敷設し防水層を形成する ・広い範囲を短い工期で施工できる ・屋根や屋上に採用される(ゴムシートの場合) |
アスファルト防水 | 5,000~8,000円 | 15~25年 | ・アスファルトと合成繊維でつくられたシートを貼り重ねて防水層を形成する ・耐久性が高い ・ビルやマンションの屋根、屋上に採用される |
ウレタン防水がもっとも単価が安く、FRP防水やアスファルト防水は費用が高くなりやすいことが特徴です。
防水工事のその他の費用相場
防水工事にかかるその他の費用の相場を以下にまとめました。
項目 | 費用相場 |
高圧洗浄費用 | 150~300円/1㎡ |
下地処理・ケレン費用 | 200~500円/1㎡ |
下地補修費用 | 1,000~1,500円/1㎡ |
改修ドレン設置費用 | 20,000~25,000円/1箇所 |
脱気筒設置費用 | 約15,000円/個 |
発生材処分費用 | 10,000~25,000円/一式 |
諸経費(荷下ろし代など) | 10,000〜25,000円/一式 |
足場設置費用 | 12万~15万円 |
上記に加え、管理費用も請求されます。管理費用は工事費用の5~10%が相場といわれています。
防水工事の費用で確認すべきポイント
防水工事では、契約する前に見積もり依頼を行うのが一般的です。見積もり内容で特に確認すべきポイントとして、以下の4点が挙げられます。
- 単価と施工費用
- 防水工事の種類・工法
- 工事工程
- 保証期間の有無・長さ
それぞれ見ていきましょう。
単価と施工費用
見積書に防水工事の費用内訳が詳しく記載されているか、必ず確認しましょう。
防水工事の単価が書かれていなかったり、高圧洗浄費用や下地処理代といった諸費用が「一式」でまとめられていたりする場合は注意が必要です。必要以上の数量で計算されている、実際の施工範囲と異なっているといった可能性があります。単純な合計金額だけで施工業者を決めないよう気を付けましょう。
また、屋上防水工事を行う場合は、排水口であるドレンのメンテナンスとして、既存ドレンの内側に改修用ドレンを設置する方法が一般的です。見積書に改修用ドレンの設置費用が記載されているかも確認しましょう。
防水工事の種類・工法
防水工事の種類や工法は、どういった工事を行うのか、いくらぐらい費用がかかるのかといった防水工事の根幹に関わる重要な部分です。防水工事の種類や工法をいい加減に記載している見積書は良いものとはいえません。
ひとくちに防水工事といっても、「なるべく既存の防水層を活かしたい」「多少高くなってもいいからメンテナンスの手間がかからない工法を選びたい」など、依頼者によって要望はさまざまです。また、防水層の状態によっては、依頼者の希望を適えられない場合もあります。
複数の業者で相見積もりをして、もっとも要望に近く、かつ防水効果の高い工法を提案できる業者を選びましょう。
工事工程
見積書に防水工事の工程が細かく記載されていれば、各工程の施工費用や必要な材料の数量が妥当かどうか判断しやすくなります。また、依頼者側が工事の進め方や大体の工程を把握していれば、手抜き工事をされるリスクも減るでしょう。
工事工程が記載されていないと、内容に対して見積もり金額が適切かどうか、判断が難しくなってしまいます。
保証期間の有無・長さ
防水工事の費用は、保証の有無や保証期間の長さによって異なります。
保証期間が短くても良いのであれば、工事費用を抑えることが可能です。反対に長期の保証を得るために費用を上乗せするケースもあります。保証期間は短ければ良いというわけではなく、工事内容に見合っているかどうかが重要です。見積書でどのくらいの保証がどれくらいの期間含まれるか、よく確認しましょう。
優良業者であれば、必ず保証はつきます。保証がまったくない業者とはトラブルになる可能性が高いので、なるべく避けましょう。
防水工事の費用が高すぎる・安すぎる場合は注意が必要

複数の業者で相見積もりをすると、防水工事の大まかな費用相場を把握できます。その際に、相場よりも費用が高すぎる・安すぎる業者を見つけたら注意が必要です。
高すぎる場合は中間マージンを取られすぎている可能性があり、逆に低すぎる場合は防水工事に必要な項目が入っていないためトラブルに発展するおそれがあります。
目安として、費用相場から上下10%以上差がある場合は、適切な価格でない可能性があります。
防水工事の主な依頼先
防水工事の依頼先として、選択肢となるのは以下の4つです。
- ハウスメーカー・工務店
- リフォーム会社
- 防水専門業者
- 塗装専門業者
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ハウスメーカー・工務店
戸建て住宅の場合、家を建てたハウスメーカーや工務店に防水工事を依頼できます。建築を担当した分、家に使われている素材やベランダ・バルコニーの構造に詳しい点がメリットです。
ハウスメーカーや工務店に防水工事を依頼する場合、施工は下請けの塗装会社や防水会社に委託されるのが一般的です。そのためマージンが加わり、費用が高くなる傾向があります。
リフォーム会社
リフォーム会社の中には、防水工事を請け負っているところもあります。しかし、ハウスメーカーや工務店同様、提携している塗装業者や防水業者に施工を委託する場合が多いため、費用が割高になりやすいです。
割高になるものの、防水工事以外の工事も依頼できます。そのため、間取りの変更やキッチンの改修など、防水以外のリフォームを検討している方には良いでしょう。
防水専門業者
防水専門業者は戸建てやビル・マンションの防水に特化しているため、防水工事の依頼先としてもっとも適しているといえます。防水専門業者に直接依頼すれば、工務店やリフォーム会社に依頼するときのような仲介料はかかりません。
すべての防水工事に精通している防水専門業者は少なく、4種類の防水工事(ウレタン防水・FRP防水・シート防水・アスファルト防水)のいずれかに特化しているケースが多いです。戸建てとマンションで適した防水方法は異なるので、自分が住んでいる環境や施工箇所に合わせて業者を選びましょう。
【関連記事】防水工事の種類や見分け方を徹底比較!基礎知識や費用相場も解説
塗装専門業者
塗装業者と防水業者は混同される場合が少なくありません。塗装専門業者が行う「防水塗装」は数ある防水工事の中の1つで、厳密には防水層の形成とは異なります。雨漏りを完全に防げる防水層は、防水専門業者にしかつくれません。
塗装専門業者が防水工事を請け負っている場合、施工を行うのは下請けや提携先の防水専門業者です。そのため、工務店やリフォーム会社同様、仲介料が費用に上乗せされます。
防水工事の費用を抑えるポイント
防水工事の費用を抑えるポイントとして、以下の4つがあります。
- こまめにメンテナンスする
- 相見積もりをする
- 専門業者に依頼する
- 優良業者に依頼する
1つずつ見ていきましょう。
こまめにメンテナンスする
防水層の劣化が激しいほど、防水工事の費用は高くなります。定期的に屋上やベランダ、バルコニーのメンテナンスを行うことで、防水工事の費用を抑えられます。
メンテナンスの例として、トップコートの塗り替えや、排水溝の掃除が挙げられます。トップコートは防水層を保護する役割があるため、5年ごとに塗り替えるのが望ましいです。また、排水溝が詰まっていると排水がうまく行われず、水たまりができてしまい防水層の劣化につながります。排水溝をこまめに掃除し、ゴミや土ぼこりで詰まらないよう気を付けましょう。
相見積もりをする
依頼する業者を決めるうえで、相見積もりは重要です。相見積もりを行うことで大体の費用相場を把握でき、適正価格の業者を見極められます。
同じ内容の防水工事でも、業者によってかかる費用は異なります。最低でも3社以上で相見積もりを行い、工事内容や費用内訳についてもっとも納得できる業者に依頼しましょう。
費用を抑えたくても、極端に安い業者に依頼するのは危険です。手抜き工事や後々のトラブルに発展する可能性があります。
専門業者に依頼する
先ほども触れたように、工務店やリフォーム会社、塗装会社は防水工事を専門業者に依頼するため、その分マージンがかかります。
最初から防水専門業者に工事を依頼すれば、二次委託分の仲介料がかからず、費用を抑えることが可能です。
優良業者に依頼する
優良業者は防水工事の費用も適切で、施工も丁寧です。質の高い工事をしてくれるということは施工不良が起こりづらく、修繕費用がかかる可能性も低いです。また、防水機能が長持ちすればランニングコストも抑えられるでしょう。
防水工事の優良業者は認定制度があるわけではないので、施工実績や保証内容などから見極めなければいけません。防水工事関連の資格保有者が多いか、アフターサポートが充実しているかという点も優良業者かどうかの判断材料になります。
DIYで防水工事費用は安くなる?
防水工事をDIYしようと考える方もいるかもしれませんが、あまりおすすめできません。防水工事は塗装業者やリフォーム業者も自社施工をしない専門的な工事のため、業者と同じようなクオリティを素人が行うのは難しいでしょう。万が一失敗した場合、修繕のために余計な費用がかかる可能性もあります。
もしDIYするのであれば、トップコートの塗り直し程度にとどめておくことをおすすめします。
防水工事の適正価格を知って業者に依頼しよう
防水工事の価格は、施工費用と足場代などの諸費用の総額です。防水工事の種類や工事内容によって費用が変わるため、相見積もりは工法や施工範囲を統一してから行いましょう。大体の費用相場を把握することで、適正価格の業者を見極められます。
防水の専門家に工事を依頼したい方は、ぜひ「屋上防水プロ」をご活用ください。